【待ったなし!流行が加速するインフルエンザ対策】「耐性ウイルス」出現に警鐘! 「とにかく薬」ではなく使い方を考える:イザ! – iza(イザ!)

 インフルエンザを発症したときに使用されることが多い「抗インフルエンザ薬」。薬への耐性ウイルスの出現について国内外で慎重な調査が続けられている。昨年発売されたばかりの「バロキサビル マルボキシル(商品名/ゾフルーザ)」では、A型「H3N2」の約10%に耐性ウイルスがいたと報告されている。

 「うんと軽い人も含め、インフルエンザの全てに抗インフルエンザウイルス薬を機械的に使うのではなく、重症化しやすい人などに重点的に薬を使用するなどの考えは必要だと思います」

 こう指摘するのは、川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長。「ゾフルーザ」の発売直後から、耐性ウイルス出現に警鐘を鳴らしていた。

 「耐性ウイルスが多くなって治療薬という武器が失われると、子供や高齢者、心臓病・呼吸器疾患などの基礎疾患を抱えて重症化しやすい人たちを救うことが難しくなります。『良い薬の大事な使い方』という考え方も必要ではないかと思います」

 岡部所長によれば、海外では、「多くの人で様子を見ていれば治るインフルエンザ」に対し、「高価な抗インフルエンザ薬をみんなに使うという考え方は取らない」という国の方が圧倒的に多いという。

 しかし、日本では、発熱や咳(せき)などの症状で医療機関を受診するとインフルエンザ検査キットで診断し、「タミフル」や「ゾフルーザ」などが処方されるのが一般的。薬を飲んで自宅で寝ていると翌日には元気になる。だが、体内にはまだウイルスが残っていて、他の人にうつす可能性がある。またこの状態で熱が下がったからといって「タミフル」などの1日2回服用の薬を止めてしまうと、体内のウイルスは再び増えてくる可能性があり、さらに他人にうつしやすくなる。

 ゾフルーザは1回処方なので途中で止めることはないが、やはり熱が下がってもまだウイルスは体から消え切っているわけではない。

 「『ゾフルーザ』に限らず、薬をたくさん使えば、耐性ウイルス出現のチャンスは増加します。『ゾフルーザ』は『タミフル』などよりも耐性が生じやすいことは、すでに知られているところです」

 薬の正しい使用と同時に、薬の服用の有無に関わらず、家族は患者、特に高齢者や子供を見守ることも重要という。  「タミフル」の副作用として、かつて10代に生じやすいといわれた異常行動は、若年層に限らず、また抗インフルエンザ薬使用の有無にかかわらず、インフルエンザそのもので起こることが分かってきた。

 「『ゾフルーザ』服用の人でも、異常行動は起きているとの報告があります。予防する方法はありませんが、異常行動によって起きる大きな事故は防げます。できるだけ一人で放置しない、外に飛び出さないように扉や窓に鍵をしっかりかける。高層住宅では窓際にベッドなどを置かないなど、ちょっとした注意が大事故を防ぎます」

 大人で独居の人は見守ってくれる家族がいない。それゆえに、ワクチン、マスク手洗いの徹底など予防に努めることがなにより。症状が出たら仕事を休み、不調が続くようならすぐに医療機関へ。適切な対応で流行シーズンを乗り越えよう。(安達純子)

 ■主な抗インフルエンザ薬●

 □オセルタミビル(商品名/タミフル)…内服薬で1日2回、5日間

 □バロキサビル マルボキシル(商品名/ゾフルーザ)…内服薬で1回投与のみ

 □ザナミビル(商品名/リレンザ)…吸入タイプの薬で1日2回、5日間

 □ラニナミビル(商品名/イナビル)…吸入タイプの薬で1回投与のみ

 □ベラミビル(商品名/ラビアクタ)…点滴タイプの薬で原則1回投与

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